ケーススタディ case study
信頼できるパートナーと歩む「タカギ第二章」
~“人がまんなかにいる会社”として組織的経営のもと更なる飛躍へ~
- NSSK3号
- 事業承継
- 一般製造業
- 投資中
株式会社タカギは、1961年創業の福岡県北九州市に本社を置く、浄水器・散水用品等の水廻り製品の製造・販売を行う企業です。
主に、浄水器事業、散水事業、金型事業の3分野で事業展開を行っており、事業拠点は国内のみならず、ベトナムの製造拠点やオーストラリアに販売拠点を有しております。浄水器事業は、1999年に蛇口一体型浄水器「みず工房」を業界のパイオニアとして発売して以降、現在では新築マンションへの採用率が業界トップを誇るリーディングカンパニーとなっております。
また、散水事業においても1980年に水の出方を5種類に変えられる散水ノズル「ノズルファイブ」の発売以降、散水用品市場を開拓し、お客様目線での新商品開発及び品揃えの豊富さにより、園芸散水用品の販売シェア国内No.1の地位を確立しております。金型事業については、自社で金型を製作できるケイパビリティを保有することで、浄水器及び散水事業においてスピーディーかつ柔軟にもの作りを行える体制を構築し、タカギのモノづくりを裏方から支えています。
ESGの観点でも、浄水器の使用は、環境への負荷の軽減が期待されます。使い捨てプラスチック容器の削減や物流負担の削減につながるため、サステナブルな社会の実現に資する製品だと考えております。
企業名 | 株式会社タカギ |
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投資時期 | 2023年6月 |
業種 | 家庭用浄水器及び散水用品の製造・販売 |
背景 | 事業承継 |
URL |
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CONTENTS
創業期から「タカギ第二章」に向けた課題
01
タカギは、1979年に髙城壽雄氏によって設立されて以降、一代で北九州を代表する企業に成長を続けてまいりました。しかしながら、壽雄氏が高齢を迎える中で、創業家の皆様は更なる会社としての成長「タカギ第二章」の実現に向けて大変悩んでおりました。現在まで堅調に事業拡大を続けてきた浄水器事業や散水事業ですが、10年、20年先までの長期的な会社の更なる飛躍を実現するための明確な道筋は描けておりませんでした。
また、生産面では既存工場の老朽化に加えて、拡大を続けるカートリッジ需要を賄うべく、新工場を建設するための大型の設備投資が必要という課題も抱えていました。
斯かる状況下、社長を始めとした創業家の皆様は、会社変革と大規模設備投資の必要性に迫られる精神的なプレッシャーを感じつつ、新たな事業パートナーを模索するに至りました。
信頼できる事業パートナーとしてNSSKを選定
02
斯かる状況下、京セラ創業者である故・稲盛和夫氏が発足した盛和塾を通じて兼ねてより親交のあったNSSKパートナー陣にいち早く相談が入り、真摯に『タカギ第二章』の飛躍に向けて創業家、役職員メンバーと協議を重ねた結果、NSSKを信頼できるベストパートナーとして選定するに至りました。
創業家の皆様から信頼を得た大きな点は、「従業員やその家族を大切にする」という経営理念でした。NSSKが掲げる物心両面の幸福を追求するという考え方は、タカギ社のフィロソフィーとも合致した考え方であり、根底となる経営の考え方に共感を得ることで、資本業務提携のパートナーに選んでいただきました。
成長実現に向けた施策・ソリューションの提供
03
NSSKの参画以降、オーナー的経営からの脱却および組織的経営への変革を推進しています。元々会社としてのありたい姿のイメージは持っていたものの、そのゴール設定の明確化と達成に向けた施策の整理、優先順位、スケジュール設定などに課題がありました。
そこでまず取り組んだのが会社の中期経営計画の整備です。中長期の定性・定量目標を改めて再考し、そのゴールに向かった道標としてNVPリストを整備しました。従来は各現場が個々に取り組んできた施策をNVPリストという形で一元的に管理、経営陣内でシェアすることで、会社にとってのKPIと紐づけた各経営施策の優先順位やタイムライン等が明確化されました。また、新工場・オフィスの建設という大規模設備投資プロジェクトに対しても資本業務提携時にレンダーとの交渉を纏め上げ、ファイナンスの課題もクリアしました。更には投資規律としてキャッシュフローや財務体力を勘案した尺度や判断基準を整備することで社内のガバナンス体制も強化しています。
その他、経営の見える化を推進しています。NSSKが参画して以降、従来は単体ベースの損益管理となっていたところ、海外子法人も含めた連結ベースでの予実管理の仕組みを構築しております。また各拠点や部門のレポーティング内容や項目の整理を進めることで、よりタイムリーに経営陣に重要な情報が報告される体制を整えております。
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